作用機序

ゲンボイヤ配合錠は、インテグラーゼ阻害薬であるエルビテグラビル、薬物動態学的増強因子(ブースター)であるコビシスタット、核酸系逆転写酵素阻害薬であるエムトリシタビン及びテノホビル アラフェナミドフマル酸塩の4成分の固定用量を含有する配合錠です。 各薬剤の作用機序を以下に示します。

エルビテグラビル

エルビテグラビルは、HIV-1インテグラーゼの阻害薬です。インテグラーゼの阻害により、HIV-DNAの宿主DNAへの組み込みを抑え、HIV-1プロウイルスの形成及びウイルス増殖を阻止します。エルビテグラビルは、ヒトトポイソメラーゼⅠ及びⅡのいずれも阻害しません(1)

コビシスタット

コビシスタットは、CYP3Aの選択的な阻害薬です(2)

エムトリシタビン

エムトリシタビンは、シチジンの合成ヌクレオシド誘導体であり、細胞内酵素によりリン酸化されエムトリシタビン5’-三リン酸となります(3)。エムトリシタビン5’-三リン酸はHIV-1逆転写酵素の基質であるデオキシシチジン5’-三リン酸と競合すること及び新生ウイルスDNAに取り込まれた後にDNA鎖伸長を停止させることにより、HIV-1逆転写酵素の活性を阻害します(4)。哺乳類のDNAポリメラーゼα、β、ε及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するエムトリシタビン5’-三リン酸の阻害作用は弱いことが示されています(5)

テノホビル アラフェナミド

テノホビル アラフェナミドは、テノホビルのホスホンアミド酸プロドラッグ(2'-デオキシアデノシン一リン酸誘導体)です。テノホビル アラフェナミドは、血漿中の安定性が高く、細胞内透過性を有し、末梢血単核細胞及びマクロファージ中のカテプシンAにより加水分解を受けて細胞内にテノホビルを送達します。その後細胞内酵素によりリン酸化を受け、テノホビル二リン酸となります(6)。テノホビル二リン酸は、HIV-1逆転写酵素の基質であるデオキシアデノシン5’-三リン酸と競合すること及びDNAに取り込まれた後にDNA鎖伸長を停止させることにより、HIV-1逆転写酵素の活性を阻害します。哺乳類のDNAポリメラーゼα、β及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するテノホビル二リン酸の阻害作用は弱いことが示されています(7)

(1)Gilead社:社内資料 303-001/002/004(エルビテグラビルの薬効薬理に関する検討)
(2)Gilead社:社内資料 216-2025(コビシスタットの薬物動態に関する検討)
(3)Paff M.T. et al. : Antimicrob Agents Chemother. 38(6):1230-1238, 1994.
(4)Feng J.Y. et al. : FASEB J. 13(12) : 1511-1517, 1999.
(5)George R.P. et al.:Drugs Future. 2(08):761-765, 1995.
(6)Robbins B.L. et al. : Antimicrob Agents Chemother. 42(3):612-617, 1998.
(7)Cihlar T. et al. : Antivir Chem Chemother. 8(3):87-195, 1997.

ゲンボイヤ®配合錠